2009年04月17日

「狂騒の後に・・・」、読者から寄せられた反響から

 北朝鮮の「ミサイル発射問題」について書いた14日の記事に感想や反響をいただいています。
 以下は、以前からこのブログを熱心に読んで感想や意見を寄せてくださっていた、茨城県にお住まいの読者からのメールです。
 ブログを介して双方向性の中で問題を深めていくという意味から、今回いただいた長文のコメントを紹介させていただくことにしました。
 なお論旨を損なわないように気をつけながら、個人にかかわる部分など、一部割愛させていただいたところもあります。ご理解ください。


 「北朝鮮ミサイル発射」に関する論考、読ませていただきました。
 まさにわが意を得たりの内容でした。私ら一般の者が接するのは新聞、テレビ、雑誌ぐらいの二次情報、三次情報しかありませんが、今回のような騒ぎは嫌でも耳目をそばだたせてくれます。

 前の不審船の時もそうでしたが、今回も日本の政治、行政、報道、社会全体の反応に至るまで子供じみた未熟さを露呈してしまいました。

 それこそ国家としての安全にかかわるところを全世界に暴露してしまったように思います。

 「誤報」だけのことではなく、一連の流れの中で、日本という国は、周辺でどのような事態を作り出し、どのような情報を流せば自分たちの意図するままに国論がまとめられ動いてくれるかがアメリカによって、いいように操られ、しっかりシミュレーションされたように思います。

 この間、日本での「ばか騒ぎ」をしっかり観察したほかの国々もいろんなことを汲み取ったのではないでしょうか。
 3日もたてば話題が古くなって忘れられてしまう国民性に仕立て上げたのは誰でしょうか。

 問題が、指摘されるとおり、朝鮮戦争がキチンと終結していない、日本も植民地にした後始末ができていないというところにそもそもの出発点があることは全くと言っていいほど論じられませんね。
 
 以前だと、深夜の討論番組などテレビでも時折やっていましたし、少数派ですが、そういうことを指摘される方々の出番もあったのですが、いまはもう、「ミサイル発射」もただの一過性の「話題」にすぎなくなっています。

 まして、米朝関係、日朝関係を根源的に捉えなおそうなどというマスコミの論調など皆無です。
 それこそがお先真っ暗な状況を作り出しているのではないかと思います。

 今回の事態では一部の防衛族議員、防衛庁、自衛隊その他軍事に前のめりになりがちな面々にとってはありがたいことだったでしょうね。田母神さんはじめよくテレビに出る人たちにとって血沸き肉踊る事態だったのではないでしょうか。

 その反面、ロケット工学の専門家がマスコミに出て、科学的な情報を伝えるという場面がほとんどありませんでした。

 片方では根拠も示さず日本に落下する可能性はほとんどないと報じられ、もう一方では迎撃用のミサイルが白昼堂々と移動し、配備され、各自治体に至るまで緊急体制が敷かれ、何と大阪府までが真新しい制服の職員が事態に備えているのがテレビに映し出されていやが上にも大変なことになるという心配を煽る内容の報道が目につきました。そうでないものは、数日前の「朝日」で、軌道をみればミサイルか人工衛星かはすぐわかるとの特集記事を目にしたぐらいしかありませんでした。NHKでは自衛隊OBとかの人物が盛んに出て、よくわからない解説をしていました。

 でも、本当に伝えるべきは、ロケットの専門家が、失敗するとすればどの段階の確率が多いのか、軌道を描いていく飛行体が軌道を外れて異常な方向へ飛んでいく可能性はあるのか、切り離しに失敗する可能性はどの程度なのか。過去にはどんな事例があるのかなどを交えて、きちんと解説がなされるべきではなかったかと思います。

 意図してか、意図せずかは解りませんが、落ちてくる可能性は極めて低いという指摘が、ほんの少しですが、あったほかは圧倒的に大変だ、大変だの報道に終始しました。

 考えてみると今回の事態、発端は米韓合同軍事演習だったような気がします。毎度のことですがほとんどのマスコミでは、注目するほどの取り上げ方はされませんでしたけれど。

 日本の政治家もマスコミもわれわれ一般人の頭の中も、「アメリカは世界中で何をやっても許される」という無言の合意が、知らず知らずに形成されているような気がします。

 荒唐無稽な話ですが、たとえばメキシコと中国がアメリカの国境地帯で上陸演習をやったらどうなるでしょう。サンフランシスコ沖を領空すれすれに中国空軍機が飛んで、強制着陸させられたら日本の政府、マスコミ、言論界はどうするでしょう。
 アメリカと一緒に中国に攻め込むべし一色に塗りあげられてしまうのではないでしょうか。

 同じ事をアメリカが太平洋をまたいで対岸までわざわざ出向いてやっても誰も何も言わない。私たちの頭の中までいつの間にかそれを不思議とも思わないように出来上がってしまっているんですね。

 アメリカは、本気で北朝鮮と関係正常化する気はないのではないか。最近ふと、そんな事を考えるようになりました。
 アメリカにとっては、東北アジアの各国がなんとなくいがみ合っていて不安定であること、それこそがアメリカの世界戦略上必要なことなのでしょう。北朝鮮と平和条約を結び、韓国と北朝鮮の関係が前進し、日本と北朝鮮も正常化する、そして、アメリカの軍事プレゼンスが要らなくなる、それはアメリカの産軍複合体にとっては一番避けたいことでしょうが、そんな時がやってくるのか疑問に思えます。

 テロ支援国家からの解除で前進したかに見える米朝関係がまたもたつき始めたのも、元をただせばその辺に原因があるように思えます。


 以上が、長文のメールで寄せられた、14日のブログ記事へのコメントです。
 このように、ブログの記事を介して論点や議論が深まっていくことを期待したいと考えます。

 その意味でも、熱のこもったコメントをいただいたことに心から感謝したいと思います。
 なお、重ねてですが、一部割愛したところがあります。
 ご理解を。

 今回のコメントにもかかわる問題について、「狂騒の後で・・・」に続く補足、続編を書かなければと考えています。












posted by 木村知義 at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 時々日録
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