北朝鮮の「ミサイル発射」問題はその後、発射の際の映像と金正日総書記の「動く映像」が公開されて7日夜のニュースから8日朝のテレビの「ワイドショー」をにぎわせました。
発射前、そして発射の当日(5日・日曜日)の異様なまでの「狂騒」は幾分治まってきましたが、今度は、9日にひらかれた最高人民会議第12期第1回会議で金正日総書記が国防委員会委員長に3選され、加えて国防委員会の委員枠を倍増し、金正日総書記の義弟、張成沢労働党中央委部長が国防委員に選ばれたことが大きなニュースになりました。
同時に、会議に出席した金正日総書記の映像が朝鮮中央テレビで流れたことから、テレビ各局では、朝鮮半島問題から医学までのさまざまな専門家が映像を見ながら「おっ、歩いてる!」とか「足を引きずっていて不自然だ」、「ページをめくった!左手が動く」「いやまだ不自由だ」などとあれこれ喧しくコメントするというありさまで、なんとも騒がしいかぎりでした。
そして注目の国連の安全保障理事会は、米国が、新たな「決議」をめざすのではなく、報道機関向け「声明」との中間に当たる「議長声明」の素案を提示したことで、結局、ミサイルか人工衛星かの判断を示さず「発射を非難する」とともに過去の「安保理決議1718に違反する」こと、「北朝鮮がさらなる発射を行わないよう要求する」とした内容の「議長声明」で決着することになりました。
しかし、オバマ大統領の「強硬」なことばとは裏腹な米国の「変わり身」に、梯子をはずされた格好の日本は、振り上げたこぶしの落としどころに苦慮するという局面に立たされました。
「誤探知」という奇妙な言葉まで生み出して、てんやわんやの大騒ぎをしたことは論外としても、人工衛星は載っていたのか、成功だったのか失敗だったのかなど、メディアでは依然として本質的ではないあれこれが繰り返されています。
しかし、このあたりでそろそろ「狂騒」に終止符を打って、見据えるべき問題のありかを冷静に考えてみるべきではないでしょうか。
そこでまず、「発射」の当日に戻るのですが、この日私は、朝から韓国の聨合通信に注目して、刻々伝えられる情報の流れを注視していました。
日本で「発射か?」という速報が流れる前に聨合通信はいち早くその情報を伝えたので驚きました。
この日朝から聨合通信が伝えた関連ニュースの流れを時系列で少しばかりメモしてみます。
これを見ていた発射当日、5日午前中の気持ちを率直に言うと、実に興味深いものが見えるものだなー・・・というものでした。
09:28 政府が北朝鮮滞在人員最小化、南北関係緊張に備え
(注、この時点でも北朝鮮に韓国の「人員」が滞在していることに注目するべきではないでしょうか。聨合通信によれば「統一部は、北朝鮮が予告したロケット発射期間(4日〜8日)初日の同日、平壌に交流協力などの事業で滞在していた韓国人81人が、航空便を利用し中国の北京、瀋陽などに移ったと明らかにした。平壌には当面、長期にわたり常駐してきた平和自動車関係者1人だけが残る。また、この日は京義線陸路を通じ161人が訪朝し、528人が韓国側に戻った。3日夜まで906人だった開城工業団地滞在者数は、4日午後7時現在、540人となった。北朝鮮地域には現在、金剛山地域滞在者41人を含め582人の韓国民が滞在していることになる。」と伝えています。)
10:01 「衛星打ち上げ」予告のなか平壌は平穏、訪朝団体
(注、先月末に訪朝し、韓国統一部の勧告を受け日程を前倒しして4日韓国に戻った韓国の北朝鮮支援団体「ウリ民族相互助け運動」関係者が「平壌市内は普段と特に変わらず、静かだったと」語るとともに、韓国に戻る際に北朝鮮側関係者らが「ここに来てみて分かったと思うが、われわれが招請状を送ったのは身辺安全を保障し不便のないよう万全を期すという意味。統一部に心配や懸念は必要ないと必ず伝えてほしい」と話したという。また同じ期間に訪朝していた「キョレマル(民族語)大辞典」韓国側編纂(へんさん)委員会関係者も「街の雰囲気に特に異常な動向はなく、人工衛星打ち上げに直接言及したり示唆したりするような看板も見当たらなかった。市内の警備が強化されたり、軍服姿の人物が多かったり軍隊が移動するということもなかった」と話したという。北朝鮮側関係者らは「宇宙の平和的利用は国家の自主権に属する事案だが、特に日本が、なぜ問題視するのか分からない」という話をしていたと伝えた。)
10:15 金総書記が平壌大劇場を視察、朝鮮中央通信(写真も配信)
10:35 北ロケット発射場に頻繁な車両往来、発射可能性注視
10:51 北朝鮮ロケットの覆い外される、発射の兆候確認
10:56 統一部長官「国民の安全に異常ないよう対処」(写真も配信)
11:14 外交通商部ロケット対策会議、発射後の政府措置検討
11:28 青瓦台が緊急NSC招集、ロケット発射切迫と判断(写真も配信)
11:38 「政府当局者は5日、北朝鮮が長距離ロケットを発射したと伝えた。」(速報)
11:49「青瓦台(大統領府)は5日、北朝鮮が午前11時30分15秒、長距離ロケットを発射したと発表した。」
12:05 政府当局者「北朝鮮ロケットは人工衛星と確認」
12:29 北朝鮮挑発に断固・毅然として対応、青瓦台 (写真も配信)
13:10 北ロケットに政府声明「安保理決議違反の挑発行為」(写真も配信)
13:29 「北朝鮮ロケット発射政府公式声明全文」配信
13:52 軍が危機管理委員会を稼動、警戒態勢を強化
14:21 政府がPSI参加判断先送り、北朝鮮の反発考慮
14:53 国民も衝撃・懸念・・・、政府には落ち着いた対応求める
15:05 北ロケットは「宇宙発射体」、衛星搭載の可能性高い
15:19 国防部「韓米合同のミサイル戦力増強を検討」
15:33 国連北朝鮮代表部は無反応、韓国は非常勤務体制
15:43 オバマ米大統領が声明「北ロケットは挑発行為」
15:56 青瓦台「衛星」判断留保、韓米協議経て公式発表
16:02 国連安保理あす早朝緊急招集、日本の招集要請受け
16:16 韓米は北ロケット安保理決議違反で一致、駐韓米大使
16:37 朝鮮中央通信「人工衛星の軌道進入に成功」
17:18 柳外交通商部長官、米中日の外相と電話協議
17:57 柳明桓長官「人工衛星打ち上げを試みたもよう」
18:31 南北関係状況の安定管理と国民安全を優先、統一部
18:56 権哲賢駐日大使と河村官房長官、対北朝鮮で協力確認
19:37 李大統領は冷静対処を強調、NSC約5時間に及ぶ
19:44 北朝鮮の発射体が軌道進入に失敗、政府当局者
20:01 国防部長官「北朝鮮の衛星、軌道進入失敗と把握」
「国防部の李相憙(イ・サンヒ)長官は5日、北朝鮮の長距離ロケット発射について、『これまでの判断では、(ロケットの)1〜3段目がすべて海上に墜落した』『いかなる物体も軌道に進入できなかったと判断している』と述べた。緊急招集された国会国防委員会全体会議での発言。衛星が軌道進入に失敗したものと把握されるとしながら、韓米は引き続き分析を行うと述べた。」
20:56 「国防部の李相憙(イ・サンヒ)長官は5日、北朝鮮の長距離ロケット発射について、『いかなる物体も軌道に進入できなかったと判断している』と述べ、地球軌道への進入に失敗したことを強く示唆した。」
この日夜までに聨合通信が伝えた関連ニュースの流れです。
日本での「大騒動」あるいはメディアの伝え方と比べてみるときわめて冷静であることがわかります。
また、あれだけ北朝鮮と「緊張関係」にある李明博政権の対応が実に冷静かつ沈着であることが見えてきます。
そして、私がなによりも注目したのは、発射の「兆候」のキャッチがなぜこれほど早かったのかという点です。
発射直前の11時28分に青瓦台(大統領府)はNSC、国家安全保障会議を招集しています。わたしはこの時、ある推測を持ったのですが、後にそれを裏付ける報道がなされることになりました。以下は読売新聞の報道です。
【ソウル=伊藤彰浩】北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」名目での長距離弾道ミサイル発射について、韓国の情報機関、国家情報院は6日、北朝鮮が米中露3か国に対し、おおよその発射時刻を事前に伝えていたことを明らかにした。
聯合ニュースが、国会情報委員会の非公開懇談に出席した議員の話として伝えた。
北朝鮮が日韓両国に対する軽視姿勢を鮮明にするのが狙いだったとみられる。また、この議員は、韓国に対しては米国が情報を伝えた模様だと述べたという。
聯合電によると、北朝鮮は、4日から8日の午前11時から午後4時の間に発射すると、国際海事機関(IMO)などに事前通告していたが、米中露への通報内容は、より詳細なものだった。李明博大統領はミサイル発射直前の5日午前、国家安全保障会議(NSC)を招集したが、これは米国から情報提供があったためとみられる。
(2009年4月6日13時26分 )
つまり、アメリカ、中国、ロシアに対して北朝鮮は「事前通告」をしていて、韓国にはアメリカから「情報提供」がなされていたということです。それもかなりきめ細かく情報が提供されていたことがうかがえます。
日本にはどうだったのか、日本のメディアが「究明」もしくは「解明」するつもりがあるのかどうかも含めて、わかりません。
しかし、「発射、その後」を考えて行く時、これは無視できない、重要な問題だと思います。
知らされていたかどうかという「面子」の問題を云々しているのではなく、米、中、ロと日本の関係がどういうものかを考える材料として重要だと思うのです。
とりわけ国連の安保理事会での米国の「豹変ぶり」や各常任理事国の「駆け引き」を目の当たりにすると、日本のおかれた位置がどのようなものか、いわずもがなと言うべきでしょう。
ところで、今回の「ミサイル発射問題」でまたもや、「独自の北朝鮮攻撃論」が湧き上がってきました。
「北朝鮮の脅威に見合った抑止力を考えるのは与党の政治家の責務だ。日本独自で北朝鮮の基地を攻撃できる能力について議論すべき・・・」というのです。
国際問題通だとかあるいは安全保障問題に通じているなどといううたい文句でメディアにしばしば登場する議員の発言です。
テレビで「北朝鮮にガツンとやれないのか!」と叫ぶ「キャスター」や「怖いですねぇー」と顔を曇らせてみせる、「キャスター」と「大学特任教授」を肩書きとする女性などはさておくとしても、こうした軽薄な論調がいとも簡単に湧き上がる状況の危うさに言葉を失うばかりでした。
国防族の重鎮、山崎拓元自民党副総裁が「ミサイルが飛んでくるなら発射基地をたたこうとか、むこうが核武装するならこちらもという意見は人類を破滅に導く議論だ」とクギ刺したという報道や、防衛庁長官、防衛大臣を歴任した久間章生衆議院議員が「北朝鮮がミサイルの実験をやりたがっているのはよくわかっていたことです。でも日本にミサイルを撃ち込むような、緊迫した情勢だったかどうか。それがあたかも日本に向けて発射するかのような雰囲気になってしまった。どんなに考えても今、北朝鮮が日本めがけて撃つはずがありませんから」(「朝日」4月11日朝刊)と語るのを目にして、こうした至極まっ当な言説が常に「その後」にしか出てこない問題はあるにせよ、言論の復元力に少しはホッとするものがありました。
ただし、「日本中がこんな騒ぎになると思っていましたか」という問いに「騒ぎにしたのは、おたくら(マスコミ)でしょう。・・・」と切り返えされて「新聞もテレビも、国民の関心事だから、取り上げたのですが」と言い訳する記者の底の浅さには情けなくなりました。
久間氏は「誤探知」をめぐる「混乱」について聞かれ「緊張状態になりすぎていたから」だとしたあと、「なぜそんな緊張状態になったのか」と質問が重ねられたことに対して、「日本と北朝鮮は休戦状態というか、講和条約も国交も結んでおらず、『戦後』を迎えていない。特に向こうにとってみれば、昔のままです。韓国は北朝鮮のゲリラ部隊が入り込むなど、こういう状況に慣れているところがある。いまいましいとは思っているでしょうが、冷静でした」と述べています。
ようやく問題が本質的なところにきました。
ここで、ある書物からの引用です。
「北朝鮮は、テポドンによる人工衛星打ち上げに失敗した8年後、今度はテポドン2を発射したが、わずか42秒後に日本海に着弾した。そして3ヵ月後、1回きりの核実験は、中途半端なものに終わった。経済的に衰弱しきった国の失敗したロケットに搭載される、実験の不十分な核兵器を、『省』に昇格した日本の防衛省は本当に恐れているのだろうか。それが発射された数分後に、北朝鮮は地球上から消し去られてしまうだろうに。日本での北朝鮮のイメージは、白か黒かのどちらかだ。朝鮮総連のような団体は、北朝鮮をこの世で最もすばらしい国と褒め称えるが、その他の人々にとっては悪の枢軸のひとつでしかない。もちろん、どちらも本当の姿ではない。米政府は体制転換を主張するが、それよりも体制の変化を支持するほうが、誰にとってもよい結果を生むだろう。北朝鮮は改革の途上にある。」
「日本、そして世界にとって一番の利益は、北朝鮮に対して批判的に関与することによって、現在この国の経済改革を遅らせている外的障害を取り除くことだ。日本は、意見の相違を際立たせようとするのではなく、合意を探ろうという観点から、北朝鮮との対話をはじめるべきだろう。」
引用が長くなりますが、もう少しお読みください。
「問題は、ステレオタイプな物の見方にある。北朝鮮は狂気の指導者が支配するスターリン主義の遺物でもなければ、世界の安全に対する致命的な脅威でもない。現体制の『生き残り』と『安全保障』を最大の関心事とする、理性的な一団が統治する国である。また、同時に、法的にはいまも米国と戦争状態にある。北朝鮮から見れば、自分たちの行動は生き残りをかけた戦いの論理的結果である。そのことが見えない者、見たくない者にとっては、北朝鮮は因果関係に基づく正常な政治的判断能力を失った、危険で不可解な存在になってしまうのだ。北朝鮮とその指導体制がそれほど悪くないという幻想を抱くべきではないが、その政治体制を作り上げたのは、この国自身と友好国だけでなく、敵国でもある。」
「地域的な軍拡競争と共産主義の崩壊により、北朝鮮は一般市民の経済を犠牲にして、減少する国家収入の中からいっそう大きな割合を軍備に費やしてきた。その後、手本を示されたことと経済的な理由から、確実な抑止力を備えるために核保有の道へと駆り立てられたのである。米国によって経済的に追い詰められた北朝鮮は、軍事境界線の南側からの脅威に対抗して“先軍政治”を敷き、市民生活は窮乏した。しかし、たとえ北朝鮮が核兵器を、経済を危機に追い込んだ通常兵器の安価な代替物だと結論づけた場合でも、これは度が過ぎた行為であり、世界の安全にとって脅威であることは確かだ。」
さらに、北朝鮮のミサイル発射、拉致問題、核実験を挙げて、「つまり北朝鮮が日本国民の意見を変えるためのうってつけの触媒になっているのだ。北朝鮮が常軌を逸した行動を取っている間に、日本はとがめ立てされることなく、種子島の発射台からロケットを打ち上げることができる。また、すでに世界第5位の軍事費を浪費していながら、さらに強力な軍事力を備える必要について語ることができるのである。」
これらはEU・欧州議会議員グリン・フォード氏の著書『北朝鮮−ゆるやかな変革−』の冒頭のパートのほんの一部です。
1950年英国生まれで、東京大学客員教授として半年間日本に滞在した経験もあるグリン・フォード氏は、日本に関する欧州代表団副代表を務めて以来、アジアとEUの関係発展に努力を傾けている人物です。
わずか300ページに満たない本書ですが、いま私たちが手にしうる最良の「北朝鮮分析」のうちの一冊といっても過言ではないと感じます。
なによりも、事実にもとづいて冷徹に分析する、すぐれた視座のすえ方に触発されるところが大なのですが、ここは書物の紹介が目的ではありませんので、ここまでに控えます。
さて、記事が長くなりますので、できるだけ手短にまとめますが、今回の「ロケット発射」を契機に、いまこそ東アジアの平和にむけて何とどう向き合うべきなのかを本質的に深める必要があると思います。
その際の最も重要な指標は、まず、グリン・フォード氏の指摘にもあるように、われわれは北朝鮮とのあいだでまだ「戦争状態」に終止符を打つことができていないこと、そればかりか、北朝鮮は軍事境界線をはさんで南の在韓米軍、韓国軍と対峙する緊張状態にあるだけでなく、日本には日米安保にもとづいて米軍が駐留しかつ自衛隊が対峙するという状態が続いていること、この緊張状態を解消していく努力なしに問題を解決に向かわせることは叶わないということです。
日本の私たちは日ごろあまり意識していませんが、北朝鮮との間ではまだ戦争処理さえ終わっていません。
米国と北朝鮮の間では朝鮮戦争の「休戦状態」のままでもう半世紀以上が過ぎています。
さらに、東アジアの非核化という課題と真摯に向き合う必要があります。
先日テレビである出演者が、意図してか意図せずにかはわかりませんが、「朝鮮半島の非核化」をめざすべきだと、したり顔で述べていましたが、それこそ問題の本質をそらす言説です。
日本は非核三原則を掲げているがゆえに核を持たない国だ、だから北朝鮮は核を捨てるべきだ、朝鮮半島を非核化すべきだというのは、もし悪意を含んでいないとすれば、まったく的外れな議論です。
日米安保にもとづいて、日本は米国の核の傘の下にあることは自明であり、だからこそ東アジア地域の、つまり中国、韓国、日本、日本に駐留する米国、そしてロシアなどすべての国が核を廃絶するという決断をしなければなんの説得力もない議論になってしまいます。
かつて中国からも、北朝鮮からもこの東アジア非核地帯化構想について突きつけられた日本は、どうしてもこれに乗れないと態度をかたくなにしてきました。
それはまさしく、日本もまた、核を「放棄」しないことを意味するのだということを、いまこそ真剣に考えてみなければならないと思います。
本質的に考えるための最低限の指標といえばさらにもうひとつ、日本の国民の中に存在する、抜きがたい差別意識や偏見を捨て去り、事実を事実としてあるがままに見据え、考えることです、北朝鮮に向き合うカギは!
先週中国の戦略問題の専門家(江沢民前主席にも直接戦略問題、安全保障問題について進言する立場にあり、米国のペンタゴンにも招かれて戦略問題の議論を重ねてきた高位の専門家です)の話を聴く機会がありました。
米国の強圧的な政策こそが北朝鮮に核開発を促したのだということ、米国が軍事的圧力をかけ緊張状態を作り出してきたのは、北朝鮮に、国家予算の6割から7割をこえる部分を軍事費に回さざるをえなくして、軍事費の重圧で崩壊させるという考え方に立ってきたからだと指摘しました。
さらに、北朝鮮がそれでも持ちこたえるということになると、クリントン政権時代には、北朝鮮を開放に向かわせ北朝鮮の政策を変えさせようとしたが、ブッシュ政権ではまた「悪の枢軸」という政策に振れ、米国の対北朝鮮政策が定まらず、北朝鮮の不信を募らせるばかりという経過をたどっていると指摘しました。
中国としては、北朝鮮の核やミサイルの開発には反対だという留保をつけながら、何が問題の根源に横たわるのかを鋭く指摘し、北東アジア地域が冷戦構造から抜け出すために何をなすべきかについて熱をこめて語るのでした。
聴き手の責任において文字にするのですが、「私が金正日ならこう言って欲しいと思うだろう。胡錦濤主席が『中国の核は北朝鮮の核でもあるのだ、だから核開発の必要はない!』と。しかしケ小平氏から胡錦濤主席まで、だれもそれを言うことはできない・・・」と語ったことばが重く残りました。
日本にとっての米国の「核の傘」に北朝鮮にとっての中国の「核の傘」を対決させることでは問題の解決に進めないことは確かです。
だからこそ、では北朝鮮に核とミサイルの放棄を迫るなら、何をしなければならないかは明確に見えてくる話だと思います。
ここまで書いているとき国連の安保理での「議長声明」採択を受けて北朝鮮が外務省声明を発し、6者協議に「再び絶対に参加しない」と表明、核開発の再開を示唆したというニュースが入ってきました。
しばらくはまた緊張をはらんだ状況を余儀なくされるのでしょう。
だからこそ、いまこそ冷静に、かつ本質にふれる思考が必要です。
狂騒はもうたくさんです。
そんな空疎な「狂騒」にはそろそろ終止符を打って、今そこにある危機を、問題の根本的な解決にむかう力に変えていかなければなりません。
その意味では久間氏の言にあるとおり、マスコミ、メディアの責任は重大です。
本質へ、そして冷静な思考を!です。
2009年04月14日
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